【追悼】お義父さんへ

僕の嫁さんの父は、僕が通っていた小学校のバスの運転手をしていました。僕もそのバスに乗って学校に通っていました。面白い運転手で、いつも子供たちを笑わせていました。

僕の母は、当時その小学校の真横にあった給食センターで働いました。バスの運転手は給食の運搬ドライバーも兼任していたため、お義父さんとうちの母は、言ってみれば同じ職場で働いていたことになります。だからお義父さんのことは小学校の頃から知っていました。

僕が現役の頃は、古川町長の専属運転手をされていて、町長さんと一緒に試合観戦に来られたこともありました。現役時代の僕のシール、今でも自宅車庫の窓に貼ってあります。

結婚前、しばしば嫁さんの自宅を訪れましたが、お義父さんもお義母さんも、僕を快く迎えてくださいました。でもあるとき、お義父さんと口論になったことがあります。結婚の話を持ち出したときだったと思います。
「もう帰れ!」と怒鳴られましたが、僕は「帰りません」と居座り続けました。そんなやり取りが何度か繰り返され、最後には「警察呼ぶぞ!」と言われました。いま振り返ってみると、それも娘を思う強い愛情の裏返しだったんだと思います。

そんなお義父さんでしたが、10月9日の朝、お亡くなりになりました。誰にも迷惑をかけることなく旅立たれました。享年77歳でした。

結婚前の口論は、今となっては一番の思い出です。結婚後も僕たち夫婦を家族として温かく迎え入れ、支えてくださいました。

押し付けがましくない、あの何気ない優しさ、屈託のない笑顔、もう見ることができないと思うと本当に寂しいです。

お義父さん、本当にお世話になりました。お義父さんがいなければ、今の僕たちはありません。どうか天国から僕たち家族を見守ってください。本当にありがとうございました。安らかにお休みください。合掌