平山譲さんの言葉がくれた力と温もり
先日、『魂の箱』を執筆された平山譲さんにお会いする機会がありました。
『魂の箱』は、僕が現役時代に所属していた畑中ボクシングジムの畑中会長、津々見トレーナー、中野博さん、そして僕自身、杉田竜平の半生が描かれた作品です。この本の取材が行われたのは、今からもう20年以上も前のことですが、平山さんは当時のことを昨日のことのように覚えていらっしゃいました。
「試合前、練習を終えてクタクタになりながら帰宅して、それでも晩御飯にワカメだけ食べていたのは泣けてきたよ……」など、僕自身も忘れていたような細かなエピソードをたくさん話してくださいました。そのひとつひとつの言葉に、平山さんが当時、僕たち選手やジムの人々にどれだけ真剣に向き合ってくださっていたかを感じ、胸が熱くなりました。
いまジムの玄関には『魂の箱』と、平山さんが「竜平に読んでほしい!」と贈ってくださった『レーサーの家』が並べて置いてあります。どちらも、人生の挑戦や葛藤、成長が詰まった作品で、ボクシングに限らず、いろいろなことに向き合う力をくれる本です。ジムの会員さんには、ぜひ手に取って読んでいただきたいと思っています。心に響くものが何かあるはずです。
平山さんとは久しぶりにお会いしましたが、その温かさや優しさは昔と変わらず、本当に心に沁みました。お話の中で、「竜平、よくやってるよ! 頑張ってるよ!」と何度も言ってくださり、その言葉には思わず励まされました。自分では気づかない部分を見てくださっている人がいる、そんな安心感と喜びが湧いてきました。
平山さんが紡ぐ一つ一つの言葉には、人を包み込む力があると改めて感じます。平山さんの作品をもっと読んで、多くのことを学び、心を豊かにしていきたいと思います。
平山さん、本当に優しくて素敵な方です。このご縁を大切に今後も末永くお付き合いしていきたいです。
Wikipedia『平山 讓』