『幸せをはこぶネコ』を読んで

先日、『幸せをはこぶネコ』を読み終えました。著者の元ボクシングトレーナーでもある刀根健先生、素晴らしい作品をありがとうございます。

ボクシング指導者として日々選手たちと接する中で、この作品は僕にとって大きな気づきをもたらしてくれました。特に、最後の章で描かれたプロボクサー、抗助の姿に共感し、自分自身の指導を見つめ直す機会となりました。

ボクシングの本質とは?

登場人物のプロボクサー『抗助』が勝ち負けではなく、ボクシングそのものへの純粋な喜びを見出している姿は、僕が選手たちに伝えたいことでした。勝利への焦りやプレッシャーを与えるのではなく、ボクシングを楽しむ心を育んでほしいといつも思っています。先生の作品は、その考え方を確固たるものにしてくれました。

「怒っている奴は楽しんでいる奴には勝てねぇ。楽しんでいる奴は、愛している奴には勝てねぇ!」という言葉は、僕にとって指導の指針となる言葉です。選手、会員さんには、ボクシングを通して心豊かな人間になってもらいたいと願っています。

そして、抗助の「俺はもう誰にも何も証明しなくていい」という言葉は深く響きました。 長年、勝ち負けにこだわり、周囲の期待に応えようと必死になっていた自分と重ね合わせ、大きな解放感を感じました。ボクシングは、誰かに認められるためのものではなく、自分自身を楽しむためのものなのだと改めて気づかされました。

指導に活かしたいポイント

先生の作品から得た気づきを、これからの指導に活かしたいと考えています。

  1. 自己肯定感の育成: 選手、会員の皆様が自分自身を認め、愛し、自信を持ってボクシングに取り組めるようサポートする。
  2. 過程を楽しむ大切さ: 結果だけでなく、過程を楽しむことを重視し、練習そのものを楽しむことができる環境を作る。
  3. 個性の尊重: 選手一人ひとりの個性や強みを尊重し、それぞれの成長をサポートする。

今後の目標

今後は、選手たち、会員の皆様が自分らしくボクシングを楽しめるような環境を作りたいと考えています。そのためには、

  • 個別の目標設定: 選手一人ひとりと目標を設定し、達成感を味わえるようなプログラムを作成する。
  • リラックスできる練習環境: 緊張感だけでなく、リラックスできる練習環境を用意し、心身ともに健康な状態を保てるようにする。
  • コミュニケーションの強化: 選手とのコミュニケーションを密にし、悩みや不安を共有できるような関係性を築く。

ぜひ『幸せをはこぶネコ』を読んでみてください。きっと、心に響く何かがあるはずです。特に、「俺はもう誰にも何も証明しなくていい」という言葉は、自分自身を見つめ直すきっかけになるかもしれません。