パンチの前に“構え”あり
「ナイス構えなんてあるの!?」
これは、僕の妻が発した言葉。先日、選手のスパーリング動画を観ていたとき、僕が選手に「ナイス構え!」と声を掛けたのを聞いて、妻が驚いて言った。
確かに、「ナイスパンチ」はよく耳にするけど、「ナイス構え」はあまり聞かないかもしれない。だから妻の驚きももっともだと思う。だけど、僕にとっては「ナイス構え」こそとても大事なこと。

この言葉を発したのには理由がある。最近、僕はゴルフをやっていて、ゴルフでも「アドレス」――すなわち構えが重要だと感じていた。アドレスがしっかり決まると、スイングの軌道が安定し、結果としてナイスショットにつながる。逆に、アドレスが不安定だと、その後の動きが乱れてしまう。
ボクシングも同じで、構えがしっかりしていれば、パンチを打つときのバランスが良くなり、攻撃と防御の切り替えがスムーズにできる。いいパンチは、いい構えから生まれるのだ。
だからこそ、僕は選手のスパーリングを見て、思わず「ナイス構え!」と声を掛けた。構えが決まっているということは、その選手が無意識にでも良いリズムや感覚を掴めている証拠だと感じたから。
パンチの華やかさに目が行きがちだけど、その土台となる「構え」の大切さを、僕はこれからも伝えていきたい。